弁政連ニュース

インタビュー齋藤健法務大臣に聞く

齋藤健法務大臣に聞く

困っている人に、
しっかり手を差し伸べる


法務大臣室にて


就任おめでとうございます。就任から2か月が経ちましたが、法務大臣としての意気込みをお聞かせいただけますでしょうか。

法務行政については経験が浅く、勉強させていただいているところですが、ほかの省庁において経験を積んできた中での気付きもあります。一つには、法務行政は、まさに国民一人一人の人生に影響を与えるものであると感じています。本質的には日本社会がどうあるべきかが問われている重要な仕事であり、時間が経つにつれてその重みをますます実感しているところです。もう一つは、どの行政分野でも意見の違いというものが存在しますが、法務行政では特に、その違いは大きいと感じます。場合によってはその意見の違いは根深いものがあり、その調整をも担う立場として、重大な責任を負っていると感じています。

法務大臣として、重点的に取り組んでいきたいとお考えになっている課題は何でしょうか?

 岸田総理大臣から私にご提示いただいた7つの課題は、いずれも甲乙つけがたく重要なものではありますが、私自身としてまず取り組みたい3つの課題があります。

一つ目は、外国人との共生社会をいかに構築していくかという問題です。出入国管理、特定技能・技能実習制度の総合的検討、国内の外国人の方の人権など、日本社会の在り方が問われていると言えます。どのように共生社会の実現に向けた環境整備をしていくのか、課題は重く大きいと受け止めています。

二つ目は、社会の法的基盤の整備です。例えば旧統一教会問題など、日本社会において困っている人たちにいかに手を差し伸べられるか。総合法律支援の充実・強化を含め、誰一人取り残さないための法的な基盤と、法律的な支援をすることができる制度の整備を進めたいと思います。

三つ目は、法曹の敷居の高さをいかに解消していくかという問題です。国民から信頼される法務行政を目指して、法務行政のデジタル化、IT 化に取り組んでいますが、司法へアクセスしやすくするという観点から、司法制度のデジタル化、IT 化を推進することによって、さらにその敷居の高さを解消していければと考えています。

最後に弁護士や弁護士会へメッセージをお願いします。

基本的人権の擁護や社会正義の実現は弁護士の方々の重要な使命であり、この使命を全うすべく、皆様が日々様々な活動に取り組んでおられること、とりわけ、様々な困難を抱える方々の正当な権利や利益を守るため最善を尽くされていることに対し、敬意を抱いています。

困っている人々にしっかり手を差し伸べて、社会的課題を解決していくという点において、我々法務行政に携わる者と弁護士の方々とで、目指すところは一緒だと思います。共に手を携え、協力していければと考えております。

於法務大臣室
齋藤健法務大臣を囲んで。左から 斎藤義房(広報委員長)、齋藤和紀千葉県支部長、菊地裕太郎理事長、菰田優幹事長、小川晃司(編集長=聞き手)

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