弁政連ニュース
葉梨康弘法務大臣に聞く
司法救済のニーズを、法曹につなぐ
法務大臣室にて
就任おめでとうございます。就任から1か月あまりが経ちましたが、法務大臣としての意気込みをお聞かせいただけますでしょうか。
法務副大臣や衆議院法務委員長を経て、従来から感じていたことを実行したいと考えています。今、社会の変化に対し、基本法制が変わろうとしています。人口減少問題や法務行政のデジタル化などの現代化へ乗り遅れている問題、結婚した夫婦の3分の1 が離婚している実態など様々な社会現象について、国民の皆さんのコンセンサスを踏まえた、バランスの取れた法制度を目指していかなければなりません。
また、法務行政を担う組織は人を扱う組織でもあります。そこに過ちがあってはいけません。人を預かっている大変さをかみしめながら、使命感と緊張感を持って取り組んでいきたいと考えています。
法務大臣として、重点的に取り組んでいきたいとお考えになっている課題は何でしょうか?
基本法制の分野の整備としても、無戸籍者対応や児童虐待などに対する法改正が進んでいます。しっかりと取り組みたいと思います。
また、入管法の改正についても、法秩序と人権のバランスをとっていかなければならないのはもちろんですが、ただ法律が整えばよいというものでもありません。不法滞在問題も、送還しなければならない人は帰らせなければなりませんが、一方で、母国で迫害を受ける恐れがある人は庇護していかなければなりません。国際基準にのっとり、どういう人は送還しどういう人は受け入れるか。
難民認定における認定基準の整備なども併せてパッケージとして整備されるよう取り組んでいきます。もちろん外国人の方の司法アクセスも重要な問題です。
入管における死亡事案についても、改善策は打ち出しましたが、打ち出したら終わりではありません。対策を徹底しながらも、運用にあたる職員が委縮することのないよう、配慮をしていかなければなりません。これは矯正の分野でもそうですね。組織内部の風通しをよくし、使命感と緊張感をともに持続させるのが私の責任です。
意識づけを徹底するよう、現場をよく回って対話を図っていきたいと思います。
人口減少に関連して、外国人材の受け入れ、所有者不明土地対策問題なども、外国人の人権や財産権の保護ともバランスを取りながら進めていかなければなりません。
刑事裁判におけるIT 化や、既に法制化された通信傍受や取調べの録音・録画など、人権に配慮し権利保護を図りながら進めていきます。
最後に弁護士や弁護士会へメッセージをお願いします。
弁護士や弁護士会の方々とは、同じ方向性を共有できる点は多いと思います。
旧統一教会の被害者救済など、社会に存在する司法救済のニーズを、いかに司法アクセスにつなげていくか。身近で頼りがいのある司法を目指し、法テラスなどのチャンネルを通じ、社会の様々な司法ニーズを法曹につないでいくよう、私も努力をしていきたいと思います。
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