弁政連ニュース
特集〈座談会〉
民事扶助・日弁連援助事業の公費・国費化(1/6)
山﨑 新 氏
東京弁護士会会員
両性の平等に関する委員会委員
黒井 新 氏
第二東京弁護士会会員
犯罪被害者支援委員会副委員長
小坂 昌司 氏
福岡県弁護士会会員
子どもの権利委員会幹事
安藤 圭輔
司会
広報副委員長
【安藤】今回のテーマは、民事扶助・日弁連援助事業の公費・国費化です。現在経済的に余裕がない方の法的トラブルへの民事扶助制度として、法テラスによる民事法律扶助制度、具体的には法律相談援助や代理援助があります。ただ、この制度は立替・償還制がとられており、当事者に原則返済義務を負担させるため、制度を利用する障害になっています。そこで日弁連は『立替・償還制から応能負担による給付制へ』『リーガルローンからリーガルエイドに』をスローガンに掲げて、制度改革の要望活動を行っています。
また民事法律扶助制度や国選弁護制度等でカバーされていないもののサポートの必要性が高い事業につき、日弁連が弁護士から徴収した特別会費を財源に、つまり手弁当で、法テラスへの業務委託によって、日弁連委託援助事業を実施しています。しかし日弁連委託援助事業の継続的な整備には弁護士会の手弁当では限界があり、この点についても日弁連は公費・国費化の要望活動を行っています。
さて本日は、特にリーガルエイドの必要性が高い子ども、DV被害者保護、犯罪被害者保護の3分野について知見のある3名の弁護士をお招きし、法律扶助・援助のありようについて議論を深めたいと思います。まず、自己紹介をお願いします。
なお、この座談会では、法テラスによる民事法律扶助制度を「民事扶助」、日弁連による日弁連委託援助事業を「日弁連援助」と呼ぶことにします。
【小坂】福岡県弁護士会の小坂昌司です。子どもの権利委員会の幹事として、虐待問題を含む子どもの福祉の問題を中心に取り組んできています。
【山﨑】東京弁護士会の山﨑新です。日弁連の両性の平等に関する委員会の委員をしています。DVは弁護士登録の頃から力を入れている分野です。
【黒井】第二東京弁護士会所属の黒井新です。登録当初から二弁の犯罪被害者支援委員会に所属をしていて、その後日弁連の犯罪被害者支援委員会にも所属しています。日弁連の委員会では、性犯罪の刑法改正問題、犯罪被害の補償問題、そして日弁連援助の国費化の問題を中心に取り組んでいます。
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