弁政連ニュース
森まさこ法務大臣に聞く
国民に信頼される
法務行政を目指して
法務大臣室にて
ご就任おめでとうございます。法務大臣としての意気込みをお聞かせいただけますでしょうか。
私は、子どもの頃、父が消費者事件の被害に遭い、壮絶な取立てを受けた本人であるという経験から、困っている人を助けたいという思いで弁護士を目指し、弁護士となってからは、特に消費者被害に関する分野で活動し、金融庁では20数年ぶりの貸金業法改正に担当として携わるなど、経験を積んでまいりました。そして、このような弁護士や官僚としての実務経験を踏まえ、参議院議員となってからは、内閣府特命担当大臣(消費者及び食品安全、少子化問題、男女共同参画)を務めたほか、自民党の法務部会長、女性活躍推進本部長などを経験させていただき、様々な政策を実現してまいりました。
法務省は、まさに国民生活の安全・安心を守るための法的基盤の整備という使命を負っており、その使命は、国民の皆様からの信頼なくして成り立たないと考えています。私は、法曹実務家として、そして、政治家としてのこれまでの経験や知見を活かし、国民の皆様からの信頼をいただけるよう、法務行政をしっかりと前に進めてまいりたいと考えています。
今後重点的に取り組みたい課題は何でしょうか?
取り組むべき課題は山積していますが、強い関心をもっている問題として、例えば、国民の権利・利益の擁護という観点から、児童虐待の問題、女性や子どもをめぐる人権問題、性犯罪被害の問題、犯罪被害者保護、養育費の不払い問題を含む父母が離婚した後の子どもの養育の在り方等に関する問題、いわゆる所有者不明土地問題への対応の問題などがあります。これらは、いずれも喫緊の課題であり、しっかりと取り組んでまいりたいと考えています。また、現在、政府を挙げて国際仲裁の活性化に向けた取組を進めています。そして、2020年4月には国連犯罪防止刑事司法会議(京都コングレス)が開催され、私が議長を務めさせていただく予定です。日本がリーダーシップをしっかり発揮し、司法外交の更なる推進を図っていきたいと考えています。そして、訪日外国人旅行者数や中長期の在留外国人数が過去最高を更新している中、多文化共生社会の実現も我が国にとって重要な課題です。
その実現に向けて、出入国在留管理庁が総合調整機能をしっかりと果たしていかなくてはならないと思います。さらに、司法・法務行政の分野では、いまだ新しい技術への対応が十分できていないと感じています。業務の効率化や法務行政の質の向上という観点から、急速に進展するAIやICT等の新たな技術の積極的な活用を進めてまいりたいと考えています。
私は、東日本大震災及び原発事故を経験し、また、近時は、台風第15号及び台風第19号を始めとする一連の豪雨・暴風災害により、私の地元である福島県も含め、東北・関東甲信越を中心に、大規模な被害が発生しています。総理からは、閣僚全員が復興及び災害対策大臣であるとの御指示をいただいていますので、こうした災害からの復旧・生活支援にもしっかりと取り組んでまいります。
また、国民の司法へのアクセスを支援するため、法テラスによる総合法律支援の充実を図り、ことに被災地においては、単に法律相談を受け付けるだけでなく、一種のカウンセリング機能のような積極的な役割を担っていくことも必 要なのではないかと考えています。
そして、女性大臣として、女性の職業生活における活躍や省内における男性職員の育児休暇の取得100%の達成といった、男女共同参画の推進にも、力を入れてまいります。
法務省は、「法」をつかさどる、本来とても身近な存在であるべきですが、国民からは、ちょっと縁遠い存在に感じられている面もあります。しかし、法務省には、「縁の下の力持ち」として、正義の実現に力を発揮してほしいと訓示で述べました。今後、入管施設や矯正施設などの現場にも足を運んで、現場の一線で活躍する職員を含む関係者の皆さんの声を聞いて現場の実情をしっかりと把握することはもとより、国民の皆様の声もしっかりと聞きながら、常に国民目線に立って、法務行政が直面する全ての課題に、全力で取り組んでまいりたいと思っています。
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