弁政連ニュース

特集〈座談会〉

日本における
国際商事仲裁の振興(1/5)

司会市毛 由美子 日本弁護士政治連盟 常務理事
小川 晃司 編集長
佐久間 総一郎 氏

佐久間 総一郎
新日鐵住金株式会社
代表取締役副社長

小原 淳見 氏

小原 淳見
国際商業会議所
国際仲裁裁判所 副所長
第一東京弁護士会会員

小原 正敏 氏

小原 正敏
日本弁護士連合会 副会長
大阪弁護士会会長

【小川】本日司会を務める弁政連ニュース編集長の小川と申します。世界では国籍の異なる企業間の紛争が増える中、国際仲裁がクローズアップされつつあります。しかし我が国では、諸外国に比較して仲裁力が高まっているとは言えず、仲裁件数の少なさが懸念されています。本日は、国際商事仲裁を中心に、国際仲裁の現状と我が国の問題点、将来的な課題について、お話いただきたいと思います。

【佐久間】佐久間総一郎と申します。現在、新日鐵住金の副社長として法務を含む内部管理部門を担当しています。1978年に入社、法務部門で20年以上に渡り、海外のМ&Aや合弁、WTO案件を含む通商問題、訴訟案件を担当しました。4年間ほど、パリのOECD科学技術産業局でエコノミストとして勤務したこともあり、現在は経団連の経済法規委員会の企画部会長、政府関係では法制審議会の委員等を務めております。

【小原(正)】日弁連副会長の小原正敏(おはらまさとし)です。日弁連では、国際関係特に法律業務の推進センター、中小企業の海外展開法的支援センターの担当をしております。また、大阪弁護士会の会長をしております。米国に留学した当時、ADRは特にメディエーション(調停)が注目されていました。帰国後、大阪弁護士会の調停センターの運営や、日本商事仲裁協会(JCAA)で国際取引研究会に携わり、国際仲裁案件では、10件ほど仲裁人も担当しました。

【小原(淳)】弁護士の小原淳見(おはらよしみ)です。約10年前から国際仲裁に携わり、2010年にはロンドン国際仲裁裁判所(LCIA)の国際仲裁に関する意思決定に関与するコートメンバーに日本人として初めて就任し、2013年から2015年までLCIAの副所長でした。2015年からは、国際商業会議所(ICC)の国際仲裁裁判所の副所長を務めております。現在業務の大部分が国際仲裁です。公表事例としては日本企業が初めて起こした投資協定仲裁の代理人を務めております。また現在外国企業間の仲裁案件における仲裁人をいくつも務めています。

【市毛】市毛弁護士で、本日小川編集長と共同司会を務めます市毛と申します。現在、日本仲裁人協会(JAA) の事務局長を務めております。



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