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弁護士議員に聞く


伊藤 孝江議員
伊藤 孝江 議員

参議院・兵庫県(公明党)
大阪弁護士会会員

(インタビュアー 企画委員会副委員長 武山 茂樹)

法曹から国会議員を目指したきっかけ
現場の思いを活かせる道へ

私は、平成10年から公明党の党員でしたが、選挙のお手伝いをする程度で、自分がまさか国会議員になるとは思っておりませんでした。親戚にも議員はおりませんでしたし。国会議員を目指した直接のきっかけは、ちょうど、選挙区の議員定数が2から3に増えて、公明党も候補を擁立するので、党からお声掛けいただいたことです。

最初は断りました。でも、自分が法曹として持っていた現行制度へのいろいろな思いが活かせるのではないかと思い、立候補の決断に至りました。弁護士としては人権活動に力を入れておりましたし、家裁の調停委員もやっておりました。生活保護で行政と争ったこともあります。現場を実際見ていたことが国政の場で活かせると思いました。

選挙活動は厳しかったです。街頭演説も初めてでしたし。でも、弁政連大阪支部と兵庫支部の推薦をいただいたことは大きな励みになりました。

法曹資格が議員活動に与える影響
法案を見るときの見方が違う

個々の条文をどう解釈するのか、既存の法律との整合性は取れているのか、判例との関係はどうなるのか、などと法案を多角的に検討することができます。これは法曹ならではの強みだと思いました。

また、国会での質問の重みも実感しております。ある法案の解釈が書籍を見ても存在しないときに、国会の答弁を見る場合があります。すなわち、国会の答弁は、その後の法律の使い方に影響するのです。質問と答弁がその法案の解釈指針となることがあります。ですから、解釈をはっきりさせておきたいところを質問するのも、国会議員の仕事だと考えています。責任が重い仕事です。

実現したい政策課題
少数者が生きやすい社会を

法曹として、個人の方の借金問題や離婚問題を扱うことが多かったです。弁護士会の委員会も、人権関係の委員会に所属していました。その経験もあり、弱い立場の人でも自分らしく生きていける社会を作りたいと考えております。

例えば、家事事件においては、調停委員の役割が一層大きくなっています。調停は、単に事件を処理するだけでなく、それぞれの当事者が今後の人生を考えていくきっかけになるからです。しかし、調停委員の研修等は自助努力によるところが大きいのが現状です。家事調停の充実も一つのテーマです。

議員になった実感と法曹へのメッセージ
社会的意義がある仕事

私自身はまだ、毎日のスケジュールをこなすのに必死です。しかし、弁護士として感じてきたこと、経験を活かしたいとの気持ちで日々職務に臨んでいます。政治に関心のある方は、ぜひ議員を目指していただきたいと思います。逆に、私自身、弁護士という仕事の持つ社会的意義を改めて実感しており、"弁護士だからこそできる仕事"に誇りを持って取り組んでいただきたいと思います。


物腰柔らかで親しみやすい伊藤孝江議員ですが、その言葉の裏には、少数者に対する配慮や人権への思いがありました。紙面の都合上、お話を全て掲載することはできませんでしたが、今後の更なるご活躍を期待しております。(武山茂樹)



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