弁政連ニュース

特集〈座談会〉

地方政治への
弁護士関与の可能性
-自治体の議会及び行政に司法の視点を-

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川合 善明氏

川合 善明
川越市長

加藤 啓子氏

加藤 啓子
流山市議会議員

常谷 麻子氏

常谷 麻子
和歌山市役所 総務公室総務課
法務専門副主幹

斎藤 義房

斎藤 義房
本部副理事長兼広報委員長
司会担当

【斎藤】近時、弁護士政治連盟では「政治に対して弁護士が何を要求するのか」から「弁護士が政治に対してどう参画するのか」という方向へ議論が進化しております。このような背景を踏まえ、埼玉県川越市長、千葉県流山市議会議員、そして任期付地方公務員として和歌山市で実績を上げている弁護士会員により、地方政治における弁護士の関与について意見交換していただき、全国の弁護士のみならず国会議員の方々にも、これからの全国各地での活動の参考にしていただければと思います。それでは早速皆さんからの自己紹介をお願いします。

【川合】埼玉県川越市長の川合でございます。東京弁護士会の31期で、弁護士登録してからは35年ほどになったということでしょうか。市長になったきっかけは、平成17年の川越市長選挙の際に当時の市議会議員さんや市の職員さんから口説かれまして、その時は東弁の副会長を受ける予定だったのでお断りしました。しかし平成20年に同じように「出てくれないか」と言われたのが直接のきっかけです。当時の川越市長さんも弁護士だったのですが、若干多選の弊害が出ているという批判がございまして、傍で見ていても「こんなことをしていていいのだろうか」と一市民として思っていたものですから、口説かれて「出てみよう」という気持ちになりました。

【加藤】流山市議会議員の加藤啓子と申します。平成23年4月の統一地方選挙で当選しましたのでまだ一期生です。短大を卒業して損害保険会社の損害調査部門に20年間勤めておりましたが、40才で姑女の具合が悪くなって介護のために辞めました。ずっと3人の子どもを育てながらキャリアウーマンをしてきております。残念ながら姑女は亡くなったのですが、その後、やはり就職しなくてはと思って市の広報を見ていたところ、生涯学習専門員募集という記事がありまして公民館で嘱託として働くことになりました。それまでずっと民間で働いていたのに公民館で働いてみると全然違って民間感覚からかなり遅れていると感じました。男女共同参画審議会委員や流山市行財政改革審議会委員などをさせていただき市政に携わってきました。昨年から明治大学の大学院の公共政策ガバナンス科というところに入りなおしまして、政策の勉強をしているところです。

【常谷】常谷麻子と申します。修習期は61期です。1年目から4年目までは札幌で一般的な弁護士の仕事をしておりました。平成24年の9月から任期付の常勤職員として和歌山市役所で働いています。市役所の職員になったきっかけは、ちょうど今後の進路について考えていた時に和歌山市役所の募集があることを知り、これは新しい分野だし、日弁連でも推奨している事業であるということもあり、挑戦してみようと思いました。また新しい司法試験の制度では行政法が必須になっておりまして、せっかく学んだ行政法を生かせる仕事だと思い、当時から行政法は好きでしたので渡りに船だとも思いました。また時期的なものでも、自分が独立して事務所を構えてしまったりだとか、結婚して一つの地域に住むことを決意したりとか、そういう風になった時はなかなかこういった仕事にはつきにくいのかなと思いまして、今やるしかないと思い応募しました。


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