弁政連ニュース

クローズアップ〈新連載〉

弁護士議員に聞く


佐々木 さやか 議員
佐々木 さやか 議員

参議院・神奈川(公明党)
横浜弁護士会

(インタビュアー 広報委員会副委員長 岡本 正)

法曹から国会議員を目指した動機
既存制度の限界を超えるために

弁護士としての活動の限界を感じたことが、政治家を志した動機の一つになっています。困っている方を支える存在でありたいと願って弁護士になりました。刑事弁護、破産・債務整理、高齢者事件にも数多く携わってきましたが、同時に現行の法制度の限界も感じてきました。法的手続の終了だけでは、必ずしもその方の人生を救えたことにはならないからです。特に東日本大震災で被災して途方に暮れている方を前にして、既存制度の枠組みでしか相談ができなかったとき、新たに法律や制度を創ることの必要性を強く感じました。

法曹資格が議員活動に与える影響
議論に活きる法的素養

法律家としてのバックグラウンドがあることで、法案審議の議論において、的確に争点や課題を理解することができると感じています。たとえば、憲法の議論をするときにも、立憲主義という考え方の知識があると、いろいろな立場の方の価値観や考え方を正確に理解でき、深い議論ができます。

実現したい政策課題
家事関係の制度改善を

「成年後見制度」の利用促進に力を入れています。認知症の方の数に対して、成年後見の件数はごく僅かです。医療と介護の連携に加え、日常生活支援や消費者相談サービスの連携により、後見制度を支えていくことが必要です。また、「司法ソーシャルワーク」の推進も大切です。これは、法テラスや法律家が、自治体や福祉関係者と一緒に、現場で困っている方にアウトリーチしてサービスを提供するものです。法律家が地域のネットワークの一員となり、市民との垣根を低くすることが求められています。さらに、離婚後の子どもの「面接交渉権」の確保も課題です。年間約25万人が離婚している現状においても、家庭問題情報センター(FPIC)のような面接交渉支援センターはまだ少なく、拡充が必要です。

議員になった実感と法曹へのメッセージ
共に現場の声を政策に

佐々木 さやか 議員国会議員は、特別な存在ではないということを強く感じています。現場で困難に直面して、戦っている方々の強い思いがあってこそ、大きなうねりが生まれ、政策を作り上げることができるのです。法律家であれば、現場の本当の悩みや声に気付けるはずです。法律家の皆様とも一緒になって、思いを政策実現に繋げられたらと願っています。

以上

>>藤原 崇 議員


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