弁政連ニュース

特集〈座談会〉

地方議会の弁護士たち
~弁護士が地方議会に進出する意義~(6/6)

地方自治への関与を目指す方へ

【安藤】ありがとうございます。弁護士会、弁政連側からの積極的なアプローチがもう少し必要なのかな、ということを皆さんのお話を伺いながら思いました。最後に、弁護士として地方自治に関与することの意義や、最近は地方自治への関与を目指す弁護士が増えてきているかと思いますけど、こうした方々への応援のメッセージをお願いいたします。

【山田】弁護士を兼業していて且ついろいろな弁護士を知っている中で言うと、やっぱり弁護士がそれぞれの領域で持っている経験とか知識の量がすごい財産だと思うんですね。児童虐待防止をやっていますけど、何か行政に言う時とか提言を出すときには、絶対子どもの権利委員会の一線でやっている弁護士に全部見てもらうので、その上で出すと。自分が頭でっかちに考えたことと、現場でやっている弁護士の入ったものは全然違うので、ある意味弁護士というのはシンクタンク的に政策形成に対して役割を果たせるのではないかなと思っています。条例制定とか典型的なのですけど、与えられた既存の法律とか条例を解釈適用していくという法律家の役割を超えて、積極的に政策形成やルールの形成に関わっていける場面に対してシンクタンク的な関わりでもいいし、そこにとどまらず自分がプレイヤーとしてなってくというような流れがあってもいい。そこに親和性があるのは、私は弁護士だと思っています。在野法曹であるとか権力との距離感とかで抵抗があるとも聞くのですけど、未来に向けて弁護士が社会の中でプレゼンスを発揮していくには、今までのやり方だけではいけないし、そうじゃないと社会の信頼が得られないのではないかなと思っています。アメリカが全部いいわけではないですけど、民主党と共和党のシンクタンクで多くの弁護士が活動していて積極的にやっている。自由に現場の実務と政策形成を行き来している。そうした姿は日本でもあっていいと思うし、弁護士側も一歩踏みだすべき。私は保守政党の自民党に所属していますが、「弁護士」というだけでアレルギーを感じる人もいます。こういった層にもアピールできるように弁護士、弁護士会は自身を再定義して、単なる法律専門家に止まらない社会における実務家集団みたいになって欲しいなと思います。出馬にあたってポジティブな話しかしてませんけど、辛い話もありますし、プライバシー、プライベートというものがない。子どもにしても、自分の親のポスターが張られているというのは結構思うところがあるみたいです。私も議員の孫・子として、そういう大変さが分かります。ただ、時代も大分変ってきて、特に都市部になれば、議員活動にも色々なスタイルがあるかなと思います。本当に今日小川さん、有近さんの話を聞けてすごく勇気づけられたし、全国で同士がいて頑張っているんだということを感じられたので、志す人が今日みたいな話を聞ける機会がもっとあったらいいし、私もどんどん協力したい。そういうところを入り口にして、より多くの弁護士がこの世界に入ってきたらいいなと思っています。

【小川】議会サイドから見た時に、やはり法律の専門家であって人権の取組みをしている弁護士が増えることは即戦力になると感じています。政治の役割は幅広くありますが、私は究極の役割は救済だと思っています。セーフティネット、人権をどうやって護るかは、やっぱり政治じゃないとできない。そういう視点で発言ができる弁護士は議会には必要な存在なので、挑戦する先生、仲間が増えるとすごくうれしいなと思います。また人生100年と考えた時に、弁護士だから弁護士業だけをずっとやるという時代ではないと思っています。弁護士をやりながら違う仕事をやるとか起業をするとか、そういうのもどんどん増えていくと思います。山田さんが事務所経営をやりながら議会活動をしてらっしゃるということで、弁護士をしながら議員をやるというキャリアも選択肢になりつつあるのだなと感じさせていただきました。現状では選挙のイメージが悪いところがありますが、今までの頭下げないと当選しないという選挙から、何を実現したいのか、どうやってチームを作って仲間を押し出すかという風に選挙のやり方自体も大きく変わってきているので、これからの若い先生たちには弁護士をやりながら議会にも挑戦しようという流れを弁政連から作っていただけると非常にいいんじゃないかなと個人的には思っています。

【有近】私は、地方自治や政治の世界は特殊だと思います、とても。弁護士の経験とか知識を十分に生かそうと思ったら、やっぱり弁護士がいいと思います。全ての人は完璧ではなくて、弁護士だから全ての行政の範囲を網羅して専門家になれるかというとそうではないですよね。行政の職員さんと接しているとやっぱり優秀だなと思うので、そういう優秀な人がしっかりと働いたら本来行政機能は十分に役割を果たされるのだと思います。だから議員が専門性を高めていこうというのは疑問があります。だけど人にはそれぞれ定めというか役割があると思うので、小川さんが先ほど言われたように、やはりチーム、仲間から押し出される場合にはぜひ勇気をもって決断してほしいです。その人の役割を果たすために、社会のために。私が応援して頂いたように、私も応援します。今日は本当にありがとうございました。

【安藤】皆さま簡単ではない世界でご活躍されているということを改めて感じました。本日はありがとうございました。



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