弁政連ニュース

クローズアップ〈座談会〉

いまこそ再審法の改正を(1/6)

司会小川 晃司 編集長
木谷 明 氏

木谷 明
元東京高裁部総括判事
第二東京弁護士会会員

鴨志田 祐美氏

鴨志田 祐美
日弁連人権擁護委員会 再審法改正特別部会長
鹿児島県弁護士会会員

山本 裕夫 氏

山本 裕夫
日弁連人権擁護委員会 再審部会員
東京弁護士会会員

野嶋 真人氏

野嶋 真人
日弁連人権擁護委員会 再審部会員
第二東京弁護士会会員

【小川】小川本日はお集まりいただきありがとうございます。本日は再審法の改正という重要なテーマについてお話を伺わせていただければと思います。私は司会を務めさせていただきます、弁政連広報委員会副委員長の小川と申します。それでは、皆様の自己紹介からお願いできますか。

【木谷】元刑事裁判官の木谷です。37年間の裁判官生活の間、主として刑事事件を扱ってきました。判事補時代に白鳥事件の異議審を担当したものですから裁判官としては比較的再審事件には縁があった方だと思います。法政大学ロースクール勤務の後、2012年に74歳で弁護士登録をしました。弁護士になって間もなく大崎事件の弁護団に、その後恵庭OL事件の弁護団にも入りました。日弁連では人権擁護委員会一部会に所属しています。

【山本】私は1979年に弁護士登録をしております。布川事件の再審については第一次、第二次に関わっておりました。2011年に再審の無罪判決が出たころに、ちょうど私の郷里である福井の女子中学生殺人事件の第一次再審について名古屋高裁金沢支部が開始決定を出したものを高裁の本庁が取り消すという事態になりまして特別抗告審から福井事件の弁護団に加わって現在第二次再審の準備中というところです。

【野嶋】私は1992年に弁護士登録をしました。修習生の時から名張毒ぶどう酒事件という再審事件の弁護団会議を見学し、登録と同時に名張毒ぶどう酒事件の再審の弁護人に加わりました。そして翌年先輩弁護士から、松橋事件の再審請求の弁護団にお誘いを受け、ずっとやり続けています。

2000年から日弁連の人権擁護委員会の再審部会の委員をしていて、小石川事件と鶴見事件について日弁連の再審部会で、再審の支援の審査担当になりまして、そのまま再審請求の弁護人になっております。もう一つ三鷹事件というのがありますけど、修習生の頃からお世話になっていた弁護士から誘われまして弁護人に加わりました。小石川事件と鶴見事件と三鷹事件では主任弁護人をさせて頂いております。

【鴨志田】私は2002年の11月に司法試験に合格したのですが、弁護修習の指導担当弁護士が大崎事件第1 次再審の弁護団長だったことから大崎事件のことを知りました。2004年に弁護士登録した直後に、鹿児島地裁のした再審開始決定が高裁で取り消され、弁護人が特別抗告した段階から大崎事件の弁護人を務めています。現在4度目の再審請求をする準備をしているところです。この経験から、日弁連の人権擁護委員会の中に「再審における証拠開示に関する特別部会」を設置し、その部会長を務めています。この部会は今年3 月に「再審法改正に関する特別部会」として新たなスタートを切ることになっております。



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