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弁護士議員に聞く

階 猛 議員
衆議院・岩手1区(民進党)
岩手弁護士会会員
(インタビュアー 企画委員会副委員長 幸田雅治)
法曹から国会議員を目指したきっかけ
銀行員の経験と法律家の経験を活かして国会議員へ
平成3年に日本長期信用銀行に入ったのですが、バブルが崩壊して不良債権に苦しむようになりました。その時期に不良債権の回収を担当し、法律に興味を持つようになり、弁護士を目指しました。企業内弁護士として働いていたのですが、前任の達増岩手県知事から後任にと言われ、地元岩手のために貢献したいとの思いで国会議員になりました。
私のバックグラウンドとしては、銀行員としての経験と法律家であるということがあり、国会は、立法府として法律を審議し、予算を審議するところですので、金融の知識と弁護士の知識が役に立つと思っています。
法曹資格が議員活動に与える影響
立憲主義を踏まえた立法活動
議員立法に積極的に関わっていますが、議員立法も立憲主義の精神を踏まえなければなりません。特に、国民の権利を制限する法律は、基本的人権の観点や権力の分立を十分考慮した合理性ある立法が大事です。一昨年に成立した復興特区法の改正では、憲法の財産権の保障を考慮しつつ土地収用を如何に早く進めるかということを考えました。
また、国会での質問は数多くしていますが、事実と法律に基づいて分かり易く説得力ある説明をするためには、弁護士の経験が役立つと思います。
実現したい政策課題
被災地の復興と情報公開法改正
まず、被災地の復興を促進することです。被災者生活再建支援制度の拡充や災害関連死の認定基準の明確化、被災地のまちづくりの促進方策などを実現するため、新たな法律の制定に取り組んでいます。
次に、情報公開を一層進めることです。民進党の行政刷新・行政改革ネクスト大臣ですが、行政情報は国民の共有財産ですので、総務省政務官時代に作成した情報公開法改正案を実現し、公開原則を徹底したいと思っています。「情報公開」、「人材」、「議会」の3つがしっかりしないと日本は良くならないです。
議員になった実感と法曹へのメッセージ
長期的視野で地域や国の将来を考えてほしい
国会議員になって9年経ちますが、岩手県は東日本大震災もあり、あっという間でした。国会議員は、毎日何が起きるか分からず、計画を立てにくい中で、この国の将来のため骨太のことをやらなければなりません。大変だというのが実感です。
法曹へのメッセージとしては、弁護士の数が増え、公益活動に割ける時間が減っていると聞きます。短期的な視野で物事を考えがちな昨今、長期的な視野を持って地域や国が将来どういう方向に行くべきか、建設的な意見を我々に提示してほしいと思います。
地元岩手の復興にかける熱い思いと人権を大事にする法曹としての責任感を感じました。「情報公開」、「人材」、「議会」が大事とのメッセージは、国民が必要な情報を入手できて、熟議による政策が実現する社会を想像し、印象に残りました。階議員には、日本の将来を切り開いていくことを期待しています。(幸田雅治)

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